「教えて!goo」のQ&Aコラム(専門家)に掲載されました

「教えて!goo」からインタビューを受け、コメントが記事になりました。

その時の記事はこちら↓

「夫婦円満にはルールが必要?守らない場合の対処法や子育て中におすすめのルールを紹介」

https://oshiete.goo.ne.jp/watch/entry/6b41208a2e7c79c4ad1422054307cda6

ちなみに、もともと私がお伝えしたコメントは以下のようなものでした(^-^)。

(1)いつの時代も「結婚したら守るべき」とされてきた夫婦のルールはある?

かつては、「会社員の夫と専業主婦の妻」が多数派だったり、親の老後を子が面倒見ることが当たり前だったりするなど、一般的な家族形態というものが存在し、そうした家族が円満に過ごせるためのルールとして、伝統的な家族観というものがあったと思います。

いまの時代にも、かつての伝統的な家族観を、自分たち夫婦に当てはめようとする方は一定数います。親世代と同じようにできなくて、自分に落ち度があると思い込んでいる人や、親世代の夫婦関係を、自分の配偶者にも求めてしまう人は、想像以上に多いです。

しかし、家族が多様化してきた現代では、夫婦それぞれの生まれ育った環境や「当たり前」と思う価値観が大きく違っています。そのため、家庭ごとに夫婦のルールが異なりますし、夫婦の数だけルールがあってよいと思います。そうした意味では、いまの時代には「結婚したら守るべき」とされるルールはほぼないと言ってよいでしょう。

一方で、どんな夫婦にも共通して、「円満に過ごすために身につけておくべき姿勢」があります。それは、①相手の話をよく聞き、相手の気持ちや考えを理解しようとする姿勢、②自分の気持ちや考えを適切な言葉で相手に伝える能力、です。夫婦のルールというより、基本的なコミュニケーション力ですが、これが不足すると衝突が増えたり、未解決のまま不満がくすぶり続けてしまいます。

(2)夫婦だけの時は特にルールを設けなくても、子どもが生まれたらルールは必要?

子どもが生まれると、家族のステージが変わります。子どもの生命を守り、心身を健全に育んでいくという新たなタスクも生じます。夫婦関係だけでなく、母子関係・父子関係・父母関係という関係性も築いていかなければなりません。夫婦の価値観をすり合わせたり、衝突を減らすために、新たなルールを話し合うことは有益でしょう。ただし、子どもの成長、父母の就労、子育てのサポート態勢等によって、必要なルールは変わっていきます。いったんすり合わせたルールも、臨機応変に変えていく柔軟性が必要です。

(3)「少し変わった夫婦のルール」どんな例がある?(プライバシー保護のため一部修正)

〇「いま話してもいい?」と確認してから話しかける

 夫はマルチタスクが苦手で、例えば、食器を洗っている最中に話しかけられると生返事になりがちで、妻は「ちゃんと話を聞いてくれない」と不満だったケース。話しかけていい状況かどうかを確認してから話し始めるようにしたら、ケンカがなくなりました。

〇プレゼントには、「物」ではなく「時間」を贈る

 子育て中の夫婦は、仕事、家事、育児と休む暇もありません。たまには自分のためだけに過ごす時間を持ち、気分転換やエネルギーチャージをすることをお勧めしました。

〇夫は、帰宅したら「ただいま。今日はどんな一日だった?」を決まり文句にする

 妻は「話を聞いてくれない、家族に関心を向けてくれない」ことが不満、夫は「疲れて帰ってきて、家でまで気を遣いたくない。それに言われたからやるのは義務的で抵抗がある」と反論していたケース。どんなやり方ならお互い納得できるかを話し合った結果、このルールにたどり着きました。

〇妻は「これはただ聞いてほしいだけの話」「これはアドバイスが欲しい話」等と前置きしてから話す

 妻は「ただ話を聞いてほしいだけなのに、いろいろダメ出しされて嫌」「でも、アドバイスが欲しい時もある」と言い、夫は「どの話に何を求められているのか判別できない」と返答。妻は、夫に期待することをあらかじめ伝え、夫は、妻の要望に沿った対応をすることで解決しました。

〇相手がやるべき家事をやっていないことにイラっとしたら、逆に、「お互い大変だよね」と声をかけ「私たち、頑張っているよね」と慰め合う

 担当する家事を済ませないうちから夫がリラックスタイムを過ごしているとイライラする、という状況から話し合い、お互い分刻みのタスクに追われているのだから少しくらい息抜きしてもいいよね、という流れになり、互いの頑張りをいたわり合う言動に切り替えるルールを設けました。いたわられると夫も気持ちよく、残りの家事を済ませることができ、結果として、お互い慰め合う → 残りの家事を協力して行うという円滑な流れが出来上がりました。

(4)夫婦円満のためには、やはりルールを設けるべき?

ルールを設けるべきかどうかは、夫婦ごとに異なります。大切なのは、何のためにルールを設けるのかを話し合っておくこと、「ルールを守ること」自体が目的にならないよう気をつけることです。ルールを設けるのは、互いに気持ちよく過ごせるようにするため、衝突を減らすためです。ルールを守っていないことを責めたりして、新たなケンカの火種が増えては本末転倒です。ルールを守れない状況が続く場合には、ルール自体を見直すことも考えましょう。

夫婦の話し合いが大切なことは分かっていても、話を切り出すことに躊躇や抵抗を感じる方は多いです。そのような場合は、話し合いを始めるハードルを下げるため、話を切り出す時のルールを設けておくことが役に立つようです。初めのうちは、毎週〇曜日の〇時からは夫婦で話す時間と決めて、日常のルーティーンにしてしまうとよいかもしれません。

夫婦関係がうまくいかない背景を探っていくと、結婚前に、どんな家族を築きたいかを十分共有しないまま結婚生活を始めてしまい、一緒に暮らし始めてから、相手の考え方や価値観に違和感を覚えるという場合が少なくありません。結婚はゴールではなく、スタートです。結婚後の生活をイメージし、お互いの理想像をよく話し合って共有しておくと、一時的には衝突しても、最終的なゴールや自分たちの理想にたどり着く解決策を見つけやすいと考えています。